ゲリマンダーとは?怪物に例えられる選挙区操作の歴史
2025年9月3日
ゲリマンダーの起源
「ゲリマンダー(gerrymander)」とは、選挙区の区割りを意図的に操作し、特定の政党や政治家に有利になるようにする行為を指します。この言葉の起源は 年のアメリカ・マサチューセッツ州 にさかのぼります。当時の州知事 エルブリッジ・ゲリー(Elbridge Gerry) が自党に有利な選挙区再編を行った際、その奇妙な区割りが「サラマンダー(イモリ)」のように見えたため、新聞が “Gerry” + “salamander” = “gerrymander” と風刺したのが始まりです。
怪物として描かれるゲリマンダー
1812年の『Boston Gazette』には、この不自然な区割りをサラマンダー型の怪物として描いた風刺画が掲載されました。これが「ゲリマンダー」という怪物の原型です。以降、ゲリマンダーは選挙制度の不公平を象徴するモンスターとして風刺画や政治漫画で繰り返し登場することになりました。
歴史的背景
- 1812年:マサチューセッツ州でゲリー知事が選挙区再編を実施。
- 19世紀以降:アメリカ全土に広がり、政治風刺の定番テーマに。
- 現代:アメリカの下院選挙や州議会選挙でも「ゲリマンダリング(gerrymandering)」は大きな問題となっており、裁判や政治改革の争点になっています。
ゲリマンダー怪物の文化的影響
- 政治風刺漫画:選挙不正や不公平を「怪物」に擬人化して描写。
- 民主主義の脅威の象徴:不自然な区割りは、有権者の声を歪める「見えない怪物」として認識されている。
- 風刺的マスコット:選挙制度の問題を批判的に表現するための象徴的キャラクターとなっている。
トランプ政権とゲリマンダリングの最新動向
- テキサス州:共和党による中間期の再区割り。トランプ氏の要請により、5つの共和党が有利になるような議席を新たに作成。
- ミズーリ州:カンザスシティの再区割りで民主党の票を分散させ、新たに共和党が有利になる選挙区を設ける計画。特別立法会期での承認が見込まれる。apnews.com
- インディアナ州:2025年8月、州議会指導者らがトランプ氏と会談し、中間期の選挙区再編について協議。2026年下院選での優位確保を狙う動き。
- マサチューセッツ州:トランプ氏は、同州の選挙結果と議席配分の不均衡を挙げて「マサチューセッツはゲリマンダーだ」と主張。newsweekjapan.jp
- カリフォルニア州:テキサスなどに対抗し、2025年11月4日に提案されるProposition 50で、議会主導の一時的な区割り導入を検討。トランプ氏は司法省での異議申し立てを示唆。en.wikipedia.org
- 全米構図:共和党は南部・中西部で中間期再区割りを推進、民主党は大州で対抗策を強化し、前例のない法廷・政治闘争が進行中。en.wikipedia.org
まとめ
ゲリマンダーとは、単なる造語ではなく、選挙区操作の不正を風刺するために生まれた歴史的な怪物です。19世紀のアメリカで誕生したこの言葉とイメージは、現代においても民主主義の健全性を問う重要なテーマとして生き続けています。
選挙制度や政治改革に関心がある方は、この「ゲリマンダー」という怪物の歴史を知ることで、なぜ選挙区の公正さが大切なのかをより深く理解できるでしょう。