「砂不足」は、地球上の砂がなくなるという意味ではありません。建設などに使える砂を、川・海岸などの環境を壊さず安定して得ることが難しくなっている問題です。国連環境計画(UNEP)は2026年の報告で、建物に使う砂の需要が2060年までに最大45%増える可能性を示しました。UNEPの2026年発表
砂や砂利はコンクリート、道路、ガラスなどに使われます。UNEPによると、世界で使われる砂・砂利は年間約500億トンです。ただし、用途ごとに求められる粒の大きさ、形、成分は異なります。砂なら何でも代用できるわけではありません。河川や海岸から過剰に採れば、侵食や生息環境の損失、水への影響が起こり得ます。問題は「用途に合う材料」と「採取を続けられる環境」の両方にあります。UNEP報告書
砂漠の砂は風で運ばれる間に細かくなったり、粒が丸くなったりします。コンクリート用の細骨材には粒度や形状などの条件があり、砂漠砂をそのまま大量に置き換えると、必要な品質を満たしにくい場合があります。しかし「砂漠砂は絶対に使えない」は言い過ぎです。用途や配合、加工方法によって利用可能性は変わります。砂漠砂の新技術を評価するときも、実験室での強度だけでなく、耐久性、加工コスト、輸送、採取による影響まで確かめる必要があります。
UNEPは砕石や建設・解体廃棄物の再利用を選択肢として挙げる一方、砂を残すことで守られる海岸や河川の機能も重視しています。UNEPの代替材料に関する解説
矛盾しません。量が多い場所にあることと、必要な品質の砂を採取・運搬・利用できることは別です。地域によっては輸送費や環境負荷も大きくなります。
一つの対策ですが、すべての用途や地域で最適とは限りません。材料の品質と、採石から輸送までの影響を合わせて比べる必要があります。
砂不足の核心は、建設に使える砂の需要と、自然環境を守りながら供給できる量のギャップです。砂漠砂を一律に「使えない」と決めつけず、用途ごとの品質、代替材、採取による影響を見て判断することが大切です。
公開:2025年7月27日/更新:2026年9月21日。数値はUNEPの公表資料に基づきます。